今年、銀行を舞台としたドラマの中で「貸すも親切、貸さぬも親切」という言葉がありました。
https://scbri.jp/PDFkinyuchousa/scb79h29s06.pdf
詳しい内容は他へゆずるとして、端的に言うと、依頼どおり融資することは、担保があり安全なように見えたとしても、融資による新規事業が見通しが悪く、それを企業が自覚しないなら、やめたほうがいいというものだと理解しました。融資とはまったく違うシチュエーションながら、これとおなじような経験があったので参考にしていただきたいと思います。
助けるも親切、助けないのも親切
工場で、ある工程をやっている人が、ラインの流れが速いので、仕事がたまってきて、通りすがりの私が助けることがあります。ただ、必ずしも助けたほうがいいとはかぎらなくて、急に助けに入った私が、取り置いてあったはずの不良品を、間違えて次の工程に流してしまって、「あれ。どこへいった?」となってしまうかもしれません。遠くから見ている現場監督から、能力がない人とみなされてしまうことを、その人自身がおそれているかもしれません。また、コンベアから落下して使い物にならなくなっても、ひとつふたつなら、たいした損失ではないかもしれません。
指摘するのも親切、指摘しないのも親切
書類に記入漏れを見つけたとします。私がチェック役だったとします。それをそのまま言っても、いろいろなことで頭がいっぱいになっていて、次に気を付けようという意識になれないことがあります。そんなときは私が書いてしまいます。私が記入漏れしたとき、逆の立場で他の人がやってくれたこともあります。指摘ではなく助けてもらうという親切でした。
教えるも親切、教えないのも親切
仕事上、どうやったらいいかなと考えなければならないとき、アイデアを出す人がいつも同じ人になったりしませんか。そうすると他の人は遠慮して、その人に毎回ゆずるような形になって、ひとりだけ浮いたようになって雰囲気的にも良くないし、みんなの考える練習になりません。私は考えることが好きなほうなので、ひとりだけ浮いたようになった人に…おっ、いかんいかん、言うのはもう少しあとにしよう。と気を付けることがあります。
「貸すも親切、貸さぬも親切」
これとおなじ精神で、仕事はむずかしいなと考えることがあり、貸したり借りたりすることのない私が、感銘を受ける言葉なので、もっといろいろな場面で役に立つのではないかと思います。応用範囲が、広い、言葉だと思います。